林真理子「anego」 | 女を磨く!

林真理子「anego」

テレビ放送されてたけど
見る機会(気?)がなかったので
読んでみました。



帯に「恋愛ホラー」と紹介されていましたが、
そうなると山本文緒の「恋愛中毒」を
想像しまう。

でも
こちらはまたちょっと違うかな。
山本文緒の方が「ホラー」だとしたら
ちょっとした「不倫サスペンス」かな。


私が個人的に感じる2つの小説に共通点は
主人公が好きになれない。
プライドが高く、実は自分のことしか考えていない。


anegoの主人公奈央子は
一流商社の一般職のOL。35歳。
いわゆる負け組(古い!?)だけど
会社の中で後輩や同僚から尊敬され、
仕事でも長く努め周りも信頼を寄せる。
その上、美人で聡明で頭がいい。(と自分でも言っている)
男にもてないこともなく、
むしろ寄ってくるけど、結局結婚できない。


常に、自分は完璧と顔に書いてあるよう。
そのプライドがあるから
頼られたら、相談に乗りそんな役回りもする。
男に誘われたら寝てみるけど
だからといってすぐに相手を好きなったりしない。

こんな人がいたら疲れるだろうなぁと。


しかし真面目な人ほど、道を誤ったらとことんいくし、
さらにそこにとプライドが加われば
世間体と常識と自分との間に葛藤が生まれる。


物語を読んでいると
奈央子の考え方は正当な感じはしてるけれど
とにかく計算高くそして「まわりくどい」。
それは他人にでなく、自分になのが癖が悪い。


ある男性との出会いをきっかけに
素直になるのだけど、
今度はそれがあだとなり・・・。

「男運がわるい女は、頭が悪い」というフレーズは印象的。
見極め、判断、切り替えができないという意味で
頭が悪い。のだそう。


奈央子は言う。
「プライドがなく、好きだから結婚する女」
「若い男は綺麗で若いだけな女で満足する」
この2つのタイプは愚かなのだそう。
プライドを持っていても隣の芝生ばかり
気にしていては自分の庭を枯らしてしまう。
他人は自分が思うほど、人のことなど気にしていない。


奈央子は
最初から最後まで愚かな女だ。

物語としてすごくおもしろかった。
働く女性として、いろんないみで考えさせられた。
ただ気になるのは、奈央子の考えは
一昔古いような気がする。

(負け犬と呼ばれる人たちがそうなの!?いや違うよね・・・)





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